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急性中耳炎

急性中耳炎の図

急性中耳炎とは、中耳(鼓膜の内側)に炎症が起こっている病気です。鼓膜の奥には耳管という耳と鼻をつないでいる管があります。その管を通して鼻やのどの炎症が耳に及んで引き起こされることがほとんどです。肺炎球菌、インフルエンザ菌などが多く、近年は耐性菌(抗菌薬が効きづらい菌)も増えています。

 

正常の鼓膜

この写真は正常の右の鼓膜です。

奥に透き通った円形の膜が見られます。
上部にはツチ骨という白い骨が認められ、右下の方にはキラッと輝いている部分があります。

軽度の赤い中耳炎

軽度の急性中耳炎です。

鼓膜の上部にあるツチ骨のところに炎症による発赤が見られ、先ほどの白い部分が赤くなっています。
また、右下のキラッとした輝きが消失しています。

膿が貯まっている中耳炎

こちらも軽度の急性中耳炎です。

水平な線があります。
膿が貯まっている液面です。

これらの中耳炎は、お薬の服用と鼻水をきちんと吸引することによって治ることがほとんどです。

水泡形成している中耳炎

こちらは中等度の急性中耳炎です。

2か所ほど鼓膜に膨隆があります。

軽度の場合と同様に、お薬の服用と鼻水の吸引などによって治ることが多いですが、長引いたり、全身状態が悪くなると鼓膜切開などの治療が必要になる場合があります。

よくあるご質問

急性中耳炎になりやすい年齢は?

6歳以下の子供さんに多い病気です。

小学生以下の子供さん、特に2、3歳の小さなお子さんがかかりやすい病気です。小学生になるまでに過半数が一度は罹患し、その半分は2回以上とも言われている子供さんには多い病気です。年齢が上がるにつれて急性中耳炎に罹患する頻度が減っていきます。
大人も急性中耳炎にならないわけではありませんが、こどもに比べるとその頻度はぐっと減ります。

どんな症状がでますか?

耳が痛い、耳から膿がでるなどの

症状が出ます。4,5歳になると”耳が痛い”など症状を訴えることが出来るようになりますが、それ以下の子供さんは訴えがはっきりしないので急性中耳炎に気が付くのが遅れる場合がよくあります。たとえば

”微熱が1~2週間以上も続いてすっきりしない、原因がはっきりとしない”
”抗菌薬(いわゆる抗生剤・抗生物質)を飲んでいる時は熱が下がるけれども、やめるとまた熱がぶり返す”
”何となく元気がない”
”耳に手をやる”
”食欲がない”
”夜の寝つきが悪い”

機嫌が悪く、落ち着かない”

といった、はっきりしない症状でも急性中耳炎になっていることがあります。
耳とは関係なさそうでも中耳炎の症状であることはよくあります。
おかしいなと思ったら受診してください。

どうやって診断するんですか?

症状と鼓膜の状態から診断します

鼓膜の状態を診察すれば中耳炎かどうかは診断可能です。

さらに全身状態(発熱、不機嫌さ、食欲など)、痛みの程度、鼓膜の発赤や腫れの程度、耳だれの有無などから軽症~重症を判断し治療の参考にします。

治療はどうするのですか?

鼻の治療、必要なら抗菌薬が中心になります

急性中耳炎は鼻側から細菌が鼓室に入って起こることが多い病気なので、鼻・のどの治療を行うことがまず第一で、抗菌剤(いわゆる抗生剤・抗生物質)を併用する場合もあります。

軽症ないし中等症では原因となる鼻・のどの状態を治療し状態を整えます。
鼻水の吸引や鼻・のどの治療を行って耳への悪い影響を減らし、必要に応じて抗菌剤の処方も行います。

重症の場合でも鼻・のどの治療が基本で必要があれば鼓膜切開を行い、直接膿を吸いだして細菌の量を減らして治療します。抗菌剤が効かなかったり、中耳炎が長引いたり、全身状態が悪い場合にも鼓膜切開を行わざるを得ない場合もあります。

大多数の患者さんは鼻・のどの治療および抗菌剤の服用で治ることが多いのでご安心ください。

お風呂に入ってもいいですか?

全身状態が良ければ入浴可能です。

お風呂

熱が出ていたり、元気がない場合の入浴は避けましょう。熱がなく機嫌も良好の場合はお風呂に入ってさっぱりすることをお勧めします。ただ湯冷めなどには気を付けてください。