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耳の奥にある鼓膜に、強く圧力がかかる圧の変動などや、綿棒などで直接傷をつけたりして、穴が開いていしまうことがあります。
耳痛、難聴、出血、耳の閉そく感などが起こります。
穿孔のみで感染を起こさなければ、塞がる場合が多いです。
鼓膜や外耳道に付着した血の塊などを丁寧に取り除きます。
その際、顕微鏡を使用することによって、痛みが少なく、繊細な処置を行うことが可能になります。また、顕微鏡で観察すると、詳細な鼓膜などの状態を把握することが可能になり、出血が止まっているか、感染を起こしていないかなどを診察します。
もし、難聴・めまいなど内耳の障害が疑われる場合は念のため聴力検査を行い、難聴の程度をチェックします。穴が開いているから起こっている軽い難聴の場合は治療とともに改善する場合がほとんどです。
左の鼓膜を触って血が出たということで受診されました。
左鼓膜中央下に穴が開いています。
外耳道・鼓膜に付着した血の塊などを綺麗に除去しました。
その後、外耳道を触らず、お風呂などで耳に水が入らないように注意してもらいました。
そして2週間後の診察です。
直接的には、耳かきや綿棒で耳そうじをしている時に奥に入って鼓膜を突いて起こる場合が多いです。特に子どもさんがぶつかって奥に入る場合が多いです。
間接的には、平手打ちやボールが当たったり、耳のそばで巨大音がして破れてしまう場合があります。以前長崎県佐世保市で勤務していた時は、精霊流しの際に耳元で爆竹が鳴って、鼓膜損傷が起こした患者さんが来院されたこともありました。
難聴・耳痛・耳からの出血・耳の詰まった感じなどが起こります。奥まで傷つけて鼓膜だけでなく、耳小骨や内耳まで損傷すると高度の難聴・めまい・耳鳴りなども起こってしまいます。
まずは耳の処置を行い血の塊を取り除いたり、鼓膜の損傷の程度を観察します。鼓膜の穿孔のみにとどまっている場合は、耳に水が入らないように注意しながら生活していただき、鼓膜の穴が小さくなるのを待ちます。通常、3ないし4週間で穴が小さくなり時間とともに90%以上は閉鎖します。鼓膜に紙を貼って治癒を促す処置を行う場合もあります。
残念ながら鼓膜形成術という手術になります。穴の大きさや難聴の度合いによって、手術の程度が変わります。
奥の神経や耳小骨(鼓膜の奥の小さな骨)を傷つけている可能性があり、それに合わせた検査・治療が必要になりますので、ご相談ください。